けいおん!!2期1話「高3!」の感想。
「あ、パン。食パン!」
ということで始まった、2期「けいおん!!」。
冒頭、桜の木の下を走る唯のギターケースに、1期14話でもらったバックステージパスが貼り付けてあるあたりに「あぁ、ちゃんと1期から続いてるんだな」と、なんだか感慨深かったり。
そして「私の恋はホッチキス」を鼻歌を交えながら練習をする唯のシーンに見入ってしまった。最初から屈指の名シーンが来た感じ。
ギター練習中の身としては、なんとも印象深い始まりだ。
ところで、2期になってキャラデザインが変わった?
見慣れていたせいか、1期の方が良かった気がする。多少野暮ったい感じがけいおん!らしいと思うのだけれど。
さて、本編について触れていこう。
唯たちもついに3年生か。高校3年生といえば、受験を控えて大変な時期だ。
それでも、唯の異常とも思えるほどのはしゃぎぶりに落ち着けと突っ込みを入れつつも、それでも、自身の状況をあれほど楽しめているところが彼女らしいというか、高校生活を心から満喫できているな、となんだか羨ましくもある。
そんな天然ボケな、ぽわぽわした唯がクラスでどう受け入れられているのか、ちょっと気になるところだったけど、講堂から戻ってくる渡り廊下でクラスメイトらしき子たちと仲よく談笑しているシーン(なんか手を握りあったりしてるしw)があり、どうやら同級生たちにも恵まれているのがわかって、ホッとした。
「教師になって始めて担任になったので、至らぬところがあるかもしれませんが」
って、さわちゃん、いいのかよ、最初から受験生の担任で…。クラス分けに細工したことよりこっちの方が気になるんだがw
で、後半は部員獲得大作戦。
素早いテンポで繰り出されるネタの数々。りっちゃんと唯のギャグ担当コンビがあれこれとやってくれる。
うん、けいおん!らしさは健在だ。
澪が手渡す新歓ライブの曲目に「いちごパフェが止まらない」という新曲が載ってた。
カレーの代わりにやるみたいだけど、まだ披露されてないっぽい?
これまたタイトルからして甘々な曲になりそうで、澪の作詞センスが全開なんだろう。聴いてみたいねぇ。
それにしても、いつも気になっていたのが、軽音部がライブをやると関係者の誰かが演奏の途中で講堂とかライブハウスにやってくること。
ちゃんと最初から見てやれよなぁw
結局、新歓ライブは大成功だったものの、新入部員は確保できないまま数日が過ぎてしまう。
2年生トリオの会話から、純ちゃんに軽音部が結束して見えて外から入りづらいんじゃないかと言われて、あずにゃんは軽音部の仲間たちとの絆を再確認する。
そして、今年まではこの5人でやりたくなったと発言するエピソードで1話は結びとなる。
原作でも印象深かった重要な内容だと思うけど、これ、唯が先に言っちゃったら台無しなんじゃないの?
5人でやりたいというのは、あずにゃんの主体的な気持ちのはずなのに、それがちょっとボケちゃったように見えてしまう。
まぁ、最後に気になったところはあったものの、1話から見所たっぷりで2期も楽しめそうだね。
けいおん!1期14話(番外編)「ライブハウス!」の感想。
1期最終話はアニメオリジナルの一編となった。
そういえば、放課後ティータイムが、他のバンドと交流する話というのは原作にもなかったような気がする。
原作では、本当にゆるやかな部活ライフを送っている彼女たちだが、アニメの方は、少しずつ成長していく様子も丁寧に描かれていると思う。
それは、媒体の違いというか、どちらもそれぞれの魅力が十分に発揮されているから、優劣を付けることではない。
似たような世界のようで、少し違う、ふたつのけいおん!を楽しむことが出来るのは実に幸せなことだ。
さて、今回の話はりっちゃんが持ち込んだライブハウス出演の誘いから始まる。
準備期間がほとんどないことから、参戦に慎重な姿勢の澪とあずにゃん。
一方、唯も彼女らしい、
「へぇ、でも楽しそう。わたし出てみたいな」とある意味、後先考えない発言から多数決へ。
多数決の決着を付けちゃうのは、今回も紬お嬢さまだ。
「それに、今年最後の日もみんなで演奏ができるなんてすごく幸せじゃないかなーって」
本当にムギちゃん、仲間たちとの演奏とその時間を共有できることを大切に思っているのがわかる。
今年最後の日「も」というあたりに、想いの強さが現れているんじゃないかな。
この発言を受けて、あずにゃんの
「ムギ先輩を不幸にできない」という心の声に不覚にもワロタ。
あずにゃん、ムギちゃんのことも大好きなんだなぁ。
12話「軽音!」の感想の中で書いた、
> 思えば、軽音部を前向きな方向に導いているのは、澪だろう。
> 「今は私たちに出来る、精一杯のことをやろう」
> 軽音部の気持ちを一つにした澪の言葉だ。
に対しての澪の返答のような台詞があった。
「みんな、いつもちょっとずつ新しいドアを開いてくれる」
引っ込み思案な澪を新しい世界へ誘うのは、唯やりっちゃんの好奇心旺盛な、ちょっと無謀ともいえるほどの暴走だ。
そして新しいことへの挑戦には勇気が必要だ。
思わず尻込みをしてしまいそうなときには、紬お嬢さまに後押しされ、想いが空回りして軽音部がバラバラになりそうになったら、思慮深い澪が仲間たちをまとめる。
軽音部の結束の強さは、役割分担というか、自然に、彼女たち一人一人の良いところがパズルのピースのようにうまくハマっていくところにあるのだろう。
実は、今回一番グッと来たのが下記のやりとり。さわちゃんことキャサリンとジャニスの会話だ。
キャサリン「あんたなんで?」
ジャニス「ここのマネージャーやってんの。あんたちっとも変わらないわねぇ」
キャサリン「か、変わったわよ。…だって、わたしあの子たちの先生してるんだから」
ジャニス「…そうか」
文章にすると微妙なニュアンスが死んでしまうな…。
アニメのけいおん!は、さわちゃんの世代にもメッセージを送っているように思える。
かつて音楽に夢中になったあの日。
ステージには、そんな昔の自分たちと同じ気持ちを抱いた少女たちが立っている。
彼女たちは眩しい光の中でキラキラと輝いている。
音楽を発信しながら食っていくという夢は破れ、もうあの眩しいステージに立つことはできないけれど、ライブハウスの管理人として、これからも好きな音楽に関わっていける。
あるいは、後進たちを見守り、導いていきながら音楽を楽しむことだってできる。
…そう感じたのは、俺が年を取ったせいだろうか。
ED曲「Don't say "lazy"」が流れ、そのまま終わってしまった。
あぁ、もう次回予告はないんだな。そう思うと不意に抑えようのない寂しさが訪れた。けいおん!はこれで終わってしまったのだ。
いや、2期が始まった今だからいえるのかもしれないが、けいおん!はまだ終わっていない。
軽音部の面々がどこへ向かっていくのか、まだまだまだまだ見守りたいと思う。